Friday, October 3, 2008

もし、カルフォルニアロールがなかったら

アメリカの日本食店から、カルフォルニアロール、スパイシーツナロールや海老天ロールがなくなったらおそらく半分のレストランは、つぶれるだろう、と言っても過言ではない。

スシがアメリカで紹介されてから約半世紀、日本食、特に寿司屋はこれらのロールのおかげで繁栄してきた。
それに伴い、日本の食品や料理(日本酒、ビール、エダマメ、トーフ、テリヤキソース、テンプラ、シャブシャブ、などなど)が紹介されようになった。また、このロールがもたらした経済効果により、流通業者や食品メーカーは次々と現地生産もできるようになり、価格も手軽な商品を開発し、一般のアメリカ人の食卓にものるようになった。
もし、日本食レストランでこれらのロールが提供されず、青み魚中心の江戸前の握りのみ(あっても鉄火巻き、かっぱ巻きなどの海苔が外)であったら現在1万件ほどあると言われている日本食レストランは、半分でしかなかったであろう。

さて、日本酒はどうであろう。果たしてスシで言うカルフォルニアロールが日本酒には必要であろうか。
個人的には、ここアメリカでは必要と考えている。それは、酒カクテルやフレイバー酒と言ったものだ。
(以前セミナーで行った調査では、初めて日本酒を飲んだアメリカ人の9割は、あまり美味しくないと感じた)
考えてもみよう。今までビールを飲んだことがない人が初めて飲んだときに「こんな美味いものはない!」と思う人は一人もいない(?)はずだ。これは、ビール限った事ではなく、全てのアルコール飲料も同じであろう。

本格焼酎も酎ハイ時代があってここまできた。ではなぜ、日本酒ではカクテルに対して異論が多いのであろうか。
それは、カクテルと言うものを知らないからであろう。もともとカクテルは、紀元前からあり、それには薬用効果や栄養効果を人類に与えてきた。ハーブや薬草を漬け込んだものから、大航海時代には、ビタミン不足を解消するために果実類をアルコールに漬け込み飲んでいた。
時代は変わり、現在ではカクテルとは、調理と同じで双方の旨み引き出すために作られている。砂糖シロップたっぷりの合成着色のリキュールを混ぜ、シャカシャカとかっこよくバーテンが作っているものは、本当のカクテルではない。
ウォッカ、ラムやジンなどの美味しさや香りをより引き出すためにカクテルは、開発されている。それは、日本食で言う、だし(カツオと昆布)を引くのと同じ感覚なのだ。

そして全ての日本酒は、本当にぬる燗や常温で飲んでも美味しいのか?それは、残念ながらそうではない。
あまり質のよくない日本酒はむしろカクテルにして美味しく「サキ」を飲んでもらった方がよっぽど日本酒のイメージアップにいい。
もし、アメリカの多くのバーに「サキ」がカクテルとして利用されるようになったら、おそらく現地生産のメーカーは潤い、質のよい酒米栽培をアメリカで行い、低価格で質の良い日本酒をもっと我々に提供してくれるかもしれない。


注意)単純に日本酒だけで作ったカクテルの多くはまずく、また相性のよい果実(ユズ、ライチ、バナナは良い)に限りがあるが、にごり酒や連続式蒸留焼酎(甲類、ホワイトリカー)を混ぜることにより汎用性が無限に広がるので試していただきたい。日本酒は旨みが多く、料理でいうMSG的な役割をカクテルに与える。料理用の日本酒でもOK。
しかし、間違っても吟醸酒などのハイレベルの日本酒(アミノ酸が少ないし、もったいない!!)は、カクテルやサケボムに使用しないこと。